健康情報

運動のすすめ(脊椎ストレッチウォーキング)

坂道・階段の歩き方

平地は脊椎ストレッチウォーキングで歩くとして坂道や階段も同様に歩けるかというとそうはいきません。ここでは坂道と階段の上り下りの方法を紹介します。
ポイントは、下腹、上背、足首、膝、ふとももの筋肉(大腿四頭筋)、目線などにありますが、坂道・階段の歩き方で最も注意が必要なのは膝です。膝の位置、膝の構造を意識することがあなたの歩き方を安全な正しい歩き方に導きます。

資料

 膝はひとつの関節として意識するのではなく「右脚(前)」でよくわかるように内側と外側を別の関節として意識して、そこにかかる圧力を均等に保つように注意して歩くことが大切です。 また、「(横)」でわかるように膝を曲げたときのほうが圧力がかかる構造になっています。更に膝を曲げ伸ばしする際に、太ももの骨と下腿の骨は少しスクリューします。ですから膝を伸ばした状態での注意も必要ですが、曲げた状態の時に膝の内側と外側を別の関節として、圧力が均等にかかるように注意して歩くことが大切です。

 そのために、脊椎ストレッチウォーキングの3大ポイントに加えて、日頃から注意しておく大切なポイントは、母指球(足の親指の付根)に真っ直ぐ膝が乗るように注意して歩くことです。

 下図はその意識のポイントを表しています。

膝を守って歩きましょう

 着地位置(踵のやや外側)と母指球と小指の付け根を線で結んだ三角形を意識します。その三角形の着地位置と母指球を結ぶ一辺が進行方向に真直ぐ向く程度に足先を開き、少し母指球を強く意識して、母指球の上に膝を乗せ、左右の膝を平行に振り出すように意識して歩きます。
 また、横の開き幅は歩行スピードによっても変化しますが、一般的には踵の内側が一直線になる程度。ややO脚の場合は少し広めに調整して歩くことが大切です。

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坂道の利用方法

 坂道はその傾斜によって歩き方が大きく変わります。傾斜のゆるい坂道では脊椎ストレッチウォーキングが可能です。ここでは、中等度の坂道と急勾配の坂道の歩き方を紹介します。
  • 中等度の上りの坂道
    • 左右の足幅はこころもち広めに取る。
    • 背筋を伸ばして軽く前傾し、靴の中で足指をしっかり開き、軽く膝を曲げ、やや母指球を意識しながら足裏全体で着地する。
    • 膝が、母指球にまっすぐに乗るように意識しながら、大腿部(ふともも)の筋肉の緊張を感じ、軽く背筋を伸ばし、呼吸が乱れないように気をつけながら、少しリズミカルに身体を前に進めていく。
  • 中等度の下りの坂道
    • 左右の足幅は少し広めに取る。
    • 僅かに膝を曲げ、踵から着地すると同時に、靴の中で足指をしっかり開き、やや母指球を強く意識する。
    • 膝がぐらつかない(特に膝を外に持っていかれない)ように母指球にまっすぐ乗るように押さえ込みながら、脚力に不安がなければリズミカルに、不安があればゆっくり身体を前に進めていく。
  • 急勾配の上りの坂道
    • 左右の足幅は中等度の坂道時よりもさらに少し広めに取り、少し前傾する。
    • やや視線を落とし、背筋を伸ばして前傾する。
    • 靴の中で足指をしっかり開き、軽く膝を曲げ、やや母指球を意識しながら、歩幅をやや狭くして、足裏全体またはつま先で着地する。
    • 膝が、母指球にまっすぐに乗るように意識しながら、大腿部(ふともも)の筋肉の緊張を感じ、やや目線を上げ、軽く背筋を伸ばし、呼吸が乱れないように気をつけながら、身体を持ち上げていく。
  • 急勾配の下りの坂道
    • 左右の足幅は中等度の坂道時よりもさらに少し広めに取り、少し後傾する。
    • 僅かに膝を曲げ、歩幅をやや狭くして、靴のクッションを利用するように意識しながら踵から着地する。
    • 着地と同時に、靴の中で足指をしっかり開き、やや母指球を意識しながら、足裏全体で地面をつかむように意識する。
    • 膝がぐらつかない(特に膝を外に持っていかれない)ように母指球にまっすぐ乗るように押さえ込みながら、自然に膝を曲げて、脚力に不安がなければリズミカルに、不安があれば一歩一歩ゆっくり丁寧に身体を前に進めていく。
注)「急勾配の下りの坂道」や下項目「下り階段」は、膝の位置が外にずれやすく膝関節障害に対する注意が必要です。着地時 の衝撃自体は落ちるという動作の「下り階段」の方が大きいのですが「急勾配の下りの坂道」は、足首を手前に引き付けられない状態が長く続くので大腿部に対 する負担が大きく、膝関節障害や筋肉痛に対する注意が必要です。
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階段の利用方法

上り上り階段
  • 左右の足幅は少し広めに取り、少し前傾する。
  • 靴の中で足指をしっかり開き、やや親指の付け根を意識しながら足裏全体で着地する。母親指を意識しながら足裏全体で着地する。
  • 膝が、母指球にまっすぐに乗るように意識しながら、大腿部(ふともも)の筋肉の緊張を感じ、軽く背筋を伸ばし、少しリズミカルに身体を上の段に持ち上げていく。
下り階段
  • 左右の足幅は少し広めに取る。
  • つま先の方から着地すると同時に、靴の中で足指をしっかり開き、膝をやや内側に絞り、母指球に膝が真直ぐ乗るように意識する。
  • 膝がぐらつかない(特に膝を外に持っていかれない)ように母指球にまっすぐ乗るように押さえ込みながら丁寧に下の段に下りていく。
 階段は下りのほうが体重が過度に加わるだけでなく、一般的には膝の位置が外にずれやすくなるので特にアライメントへの意識が大切です。また、着地する方の脚は勿論、後ろの脚を前へ運ぶ際の膝の位置に注意が必要です。
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呼吸は?

 長く上りが続く場合は、坂道に入る前に、歩幅を少し狭くして、「はく、はく、すう、すう」と「はく」方を少し意識してリ ズミカルな動作と呼吸を意識してください。筋肉を強く使わないように注意して上ることが大切です。一時的にでも歩幅を広げすぎたり、強く踏みしめたりして 筋肉を強く使いすぎると酸素の供給が間に合わなくなり息切れを起こします。「はく」方を意識したリズミカルな呼吸と、歩幅を狭めて無駄な筋力を使わないリ ズミカルな動きが呼吸の乱れを防ぎます。
 以上の点に注意しても呼吸の乱れが激しいようでしたら、途中で必ず休憩を取るようにして呼吸の乱れが回復してから上るようにしてください。

坂道、階段の利用上の注意

 平地での身体動作より、上りの場合は心肺機能に、下りの場合は膝を中心とした関節に過度の負担がかかりやすいので、上りは循環器系の障害、下りは整形外科系の障害に対する注意が必要です。特に文頭にも触れていますが膝の位置に対する注意は大切です。上り、下りの利用が健康状態に悪影響を及ぼす場合は手すりを使ったり、つぎ足で上り下りをしたり、下りだけエレベータ、エスカレータを使用するなどして段階的に調整する必要があります。

ラッキーなのかアンラッキーなのか

 あなたは、駅などの建物で階段に出遭ったときアンラッキーと思っていないでしょうか。体調の不良がなければラッキーと感じてください。階段利用は、出勤のついでに、買い物のついでに脚力の低下を予防し、大腰筋を刺激し、膝の位置を整えるなど動ける体で長生きをするために必要な運動が凝縮されています。
 往復電車通勤で、エレベータ、エスカレータを利用していたのであれば、階段を利用するだけでほぼ1,000歩増です。それだけで運動の量を確保し、生活習慣病を予防でき、筋肉量の低下を防ぐことができます。
 歩ける人にとって階段を使えるということは基本的(勿論、体調不良時などは別)にはラッキーなのです。駅などのエレベータ、エスカレータに向かう人の流れを私たちの脚で変えましょう。
(亀澤)
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